INTERVIEW

佐渡ビジネスコンテストでは、参加者が様々なビジネスモデルを提案し、その優劣を競い合います。

優秀なビジネスモデルと認められると補助金やフォローアップが受けられるため、起業を目指す方にはこの上ないチャンスです。

実際に佐渡ビジネスコンテストに参加され、見事入賞を勝ち取られた方々のインタビューをぜひご覧ください。

株式会社佐渡活

代表取締役   本間 金五さん

佐渡ビジネスコンテスト2024

受賞されたビジネスプランをご紹介ください。

「植木業と牡蠣養殖業」人手不足産業の組合せによる量的質的事業拡大へのチャレンジ

令和5年現在、弊社は春から秋は植木業を行い、冬は牡蠣養殖業を行うという新しい通年事業モデルの基盤が整っております。そこで、本事業では、令和6年4月から1年に1名ずつ雇用を増やし、設備投資をした上で植木業並びに牡蠣養殖業の量的拡大を進めます。
また、植木業での新たなサービスとして枝下しや伐採で出た木の枝葉ゴミをそのまま処分するのではなく、除草対策としてサービス化することで、無駄を省き利益率の向上に努めます。現在は主に枝葉の処分はトラックに積んで処分場へ運び、焼却されるという流れですが、その処分される枝を捨てずに保管しておいて、粉砕機で枝を細かくした後にウッドチップとして活用するというものです。これにより植木業の質的拡大を図ります。
更に、牡蠣養殖業では、出荷工程で商品として出荷できないB級品のいわゆる「ハネ牡蠣」がでてしまうという無駄があります。そこでハネ牡蠣を利用して加工品を製造し、ふるさと納税で販売することで、牡蠣養殖業の無駄を省き、利益率の向上を目指します。これにより、牡蠣養殖業の質的拡大を図ります。

本事業で拡大する事業 本事業で拡大する事業

佐渡ビジネスコンテストへ応募したきっかけを教えてください。

佐渡へUターン後に創業してから約8年が経ち、事業規模の拡大をしたいと考え、雇用機会拡充補助金の申請を検討していたところ、知人からビジネスコンテストへの応募を勧められました。
植木業や牡蠣漁師業は右肩下がりの斜陽産業の為、頑張っていることをPRしたいという思いがありました。
弊社のビジネスプランは処分するようなものに付加価値をつけて商品化する「課題解決型」でしたので、入賞すれば加点があり、採択の可能性がアップするとのことでしたので、挑戦してみることにしました。

コンテスト本選審査へ進まれる中で課題などはありましたか?

私はビジネスコンテストへの参加自体が初めての経験でしたので、審査員にどのように事業を理解してもらうか、どこを重点的にアピールポイントとするのかなどが課題でした。
弊社の佐渡での今までの経験を踏まえ、存在意義や課題解決の実現性などを熟考し、スケールは小さいながらも少しずつ着実に前に進むことを伝えるしかないと考えました。
また、申請期間からコンテストまでの準備期間は冬期であり、いつもであれば植木業の閑散期ですが、今年は牡蠣漁師業の初出荷時期と重なり、初めての作業でドタバタしている中での準備が大変でした。

コンテスト後のNEXT佐渡のフォローアップなど、その印象や感想を教えてください。

事業計画の段階からアドバイスいただいていましたが、コンテスト後も様々なイベントなどにお声がけいただき、経営者仲間が増えて刺激を受けることが多く、事業自体にも良い影響がありました。
その中でもコンテストの入賞者特典でもある新潟イノベーションベース(NIIB)への活動支援は県内のレベルの高い経営者が参加しており、自分の意識が変わる活動だと感じています。

なぜ佐渡で事業を展開されようと考えたのでしょうか?

私が佐渡出身でUターンしていたというのが単純な理由ですが、根本には佐渡を沈没させたくないという思いがあったからです。
学生時代から社会人まで10年ほど都会での生活を経験しましたが、暮らすには便利で仕事も多く、魅力的でした。しかし、子供を育てるには自然が少なく違和感がありました。 そこでUターンしたいと思いましたが、魅力的な仕事が少なく、なかなか厳しい状況でした。
そこから佐渡の雇用を意識するようになり、創業したときには佐渡で働く場所の確保を念頭に置いています。 将来子どもたちが佐渡に戻ってきたいと思ったときに、いつでも戻れる場所にしていきたいです。

佐渡で事業展開することのメリットや魅力とは何がありましたか?

佐渡の魅力は自然、ネームバリュー、人口規模だと思います。
離島の自然と聞けば非常に良いイメージが浮かびますし、5万人規模の市町村としては全国でもネームバリューはある方だと思います。
牡蠣養殖業での出荷は主に島外の市場へ出荷しています。「佐渡の牡蠣」は出荷量の関係もあり、あまりメジャーではありませんが、良質でサイズが大きいことが特徴なので、今後はそのポイントをうまくアピールして、販路拡大をしていきたいと考えています。 それと人口規模というのは、特に地元に根差した植木業で感じるのですが、仕事をするにはちょうどいいくらいの人口なのです。私のように個人からはじめる場合、都会には大手がいて、なかなか新参者が仕事をいただくのは難しいですが、佐渡の場合はそこまで大手はいなく、業界的にも淘汰されていて仕事受託率が高いです。広告もあまり費用かけずに、目立つことができます。
植木業は主に島内向けで、牡蠣養殖業は主に島外向けとして、発展させていきたいと考えています。今後の人口減少も踏まえて佐渡の特徴をうまく生かし、両方のバランスを考慮して、事業を進めていきたいです。

最後に、これから佐渡ビジネスコンテストに応募される方、
または応募を検討されている方へのメッセージをお願いします!

実際にビジネスコンテストに出場してみて感じたことは、事業のブラッシュアップができたことです。
雇用機会拡充補助金の申請の為に事業計画を作成しましたが、通常であればその後プレゼンがあるものの、計画書作成に力を入れ、そこまでで終わる方がほとんどだと思います。以前の私がそうでした。
なぜその事業を行うのか、なぜその事業が必要なのか、どのように利益を生むのか、事業は継続できるのかなどなど、コンテストに向けて事業を整理していく中で、自分でも気づかなかったことに気づいたり、もっと良い案が浮かんだり、深く事業を再考することができました。
きっかけは補助金のポイントアップでしたが、自分の事業においてコンテストがターニングポイントになったと感じています。
弊社のようなアナログな事業でも、評価していただいたことに感謝しております。 自分自身をさらに磨きたい方は是非、応募してみてください。 最後に本コンテストは佐渡出身者が少ないので、島外の方に負けず、一緒に頑張っていただきたいと願っています。