代表 中村 隼さん
佐渡ビジネスコンテスト2025
受賞されたビジネスプランをご紹介ください。
佐渡島での音響機器製造
佐渡島に音響機器の製造拠点を設立し、超小型で高性能な業務用マイクを開発・製造するプランです。
このマイクは、小型設計と優れた音質を両立させたプロ向け製品で、音楽や映画の制作専門家や、音にこだわる個人クリエイターをターゲットとしています。価格は当面10万円程度を想定しています。将来的には、空き家や蔵を改装した宿泊施設付きの音楽スタジオを作り、海外のミュージシャンに長期滞在してもらいながらレコーディングに取り組んでもらうのが夢です。
最終的には、鬼太鼓のような地域の伝統芸能や太鼓芸能集団 「鼓動」とも連携し、佐渡の活性化に繋げていきたいと考えています。
佐渡ビジネスコンテストへ応募したきっかけを教えてください。
最大のきっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大でした。
当時、私はドイツでレコーディングエンジニアとして働いていましたが、ロックダウンでレコーディングや音楽イベントが中止になり、仕事がほぼ途絶えてしまいました。その頃に音響研究に携わる事になり、音響機器の開発に興味を持ち、「自分で会社を興して、思い通りの製品を作ってみたい」と考えるようになりました。
しかし、外国人である私にとってドイツでの起業はハードルが高く、日本での起業を決意しました。
情報を集める中で、インターネットで偶然目にした佐渡市の「起業成功率No.1」というキャッチコピーがきっかけです。
コンテスト本選審査へ進まれる中で課題などはありましたか?
はい。
ドイツから帰国後、リモートの仕事で生計を立てながら、事業開発や補助金の申請などを並行して進めるのは大変でした。それに加えて、技術的な課題を克服するために自費で試作品のテストを繰り返すことも困難でした。特に、テスト段階でスマートフォンの電磁波がノイズとしてマイクに干渉する可能性が判明し、その改良に取り組む必要がありました。幸い、改良の目途はすでについており、量産前の最終的な試作品の制作に取り組んでいます。
コンテスト後のNEXT佐渡のフォローアップなど、その印象や感想を教えてください。
コンテスト後、佐渡市の「雇用機会拡充事業補助金」に採択されました。また、事業を開始する際には、佐渡市が運営する「インキュベーションセンター河原田本町」の一室に入居することができ、起業家向けの支援制度が充実していることを実感しています。
なぜ佐渡で事業を展開されようと考えたのでしょうか?
私は新発田市の出身ですが、父が佐渡生まれだったため、佐渡は子どもの頃に何度も訪れた思い出の地です。インターネットで日本の起業場所を探していた際に、佐渡市の情報を見つけ、不思議な縁を感じました。調べてみると、起業家向けの補助金や入居施設などの支援制度が非常に充実していることがわかりました。全くのゼロから起業を考えていた私にとって、佐渡市の支援はとても魅力的で、あまり迷うことなく佐渡での起業を決断しました。
佐渡で事業展開することのメリットや魅力とは何がありましたか?
起業家向けの補助金や「インキュベーションセンター」のような入居施設など、支援制度が非常に充実している点が最大の魅力です。ゼロから事業を立ち上げる者にとって、これらの手厚いサポートは大変心強く、大きなメリットだと感じています。また、製品の量産化にあたっては、佐渡市内の部品製造会社などからも協力をしていただき、地域内で連携できることも魅力の一つです。
最後に、これから佐渡ビジネスコンテストに応募される方、
または応募を検討されている方へのメッセージをお願いします!
佐渡には、豊かな自然や独自の文化、そして確かな技術を持つ企業など、たくさんの魅力的な資源があります。離島ならではの環境を活かしたり、地域の企業と連携したりするようなビジネスプランは、大きな可能性を秘めていると思います。私自身も、佐渡の製造業者の方々と連携することで事業を具体化できました。