INTERVIEW

佐渡ビジネスコンテストでは、参加者が様々なビジネスモデルを提案し、その優劣を競い合います。

優秀なビジネスモデルと認められると補助金やフォローアップが受けられるため、起業を目指す方にはこの上ないチャンスです。

実際に佐渡ビジネスコンテストに参加され、見事入賞を勝ち取られた方々のインタビューをぜひご覧ください。

一般社団法人佐渡古文化保存協会

業務執行理事 
古玉 かりほさん

佐渡ビジネスコンテスト2025

受賞されたビジネスプランをご紹介ください。

佐渡島で初の文化財に泊まれる宿をつくる
近代建築ホテル・旧若林邸

唯一無二、ここにしかないものを提供します。
2024年3月に国登録有形文化財に登録されたばかりの、大正2年頃の洋館「旧若林邸」をホテルとして提供します。宿泊できるようになれば「佐渡初の文化財に泊まれる宿」になります。どこにでもある建物とは異なり、唯一無二。装飾性に優れた美しさに惹かれた、建物のファンがすでに多数存在します。
この建物は西洋館と日本館の2棟が渡り廊下で連結しており、日本館の1階を改修工事して客室を整え、旅館業として通年営業できるようにします。
また、蔵や古い建物の調査をしてきたため、古い器、年代物の蒔絵が施された漆椀などをたくさん所蔵しており、それらの本物を使った食事体験ができます。結婚式の披露宴などお祝いの席に、歴史を感じさせる趣あるサービスを提供できます。
佐渡観光に、これまでになかった新しい印象を吹き込みます。

  • 佐渡島で初の文化財に泊まれる宿をつくる 近代建築ホテル・旧若林邸
  • 佐渡島で初の文化財に泊まれる宿をつくる 近代建築ホテル・旧若林邸
  • 佐渡島で初の文化財に泊まれる宿をつくる 近代建築ホテル・旧若林邸

佐渡ビジネスコンテストへ応募したきっかけを教えてください。

国登録有形文化財になった洋館・旧若林邸を保存したい一心だったので、そのためにビジネス化が必要で、コンテストで勝負できるビジネスをつくりあげなければ建物の保存はできないと思いました。建物の活用が収益になり、そのお金で建物が維持できるという仕組みをつくって、そのプランがビジネスとして認められなければならない。そこで認められてこそ、旧若林邸という文化財を維持していけるという、気持ち的には崖から飛び降りるくらいの勝負魂をもって応募しました。

コンテスト本選審査へ進まれる中で課題などはありましたか?

コンテスト本選審査は10分間のスピーチでしたが、スピーチするという習慣があまりないなかで、大勢の人の前で自分のプランを発表するということは、短時間で最大限に伝える技術が必要となります。そのため話すことを紙に書いて、時間を測りながら声に出して読む練習をしました。相手にどう伝わるか、聞いている側の立場に立って、スピーチがおもしろいかおもしろくないかも考えました。
今後、ビジネスとして相手に自分の事業(プラン)を伝えることや交渉することも増えていくと思います。そのとき、常に短時間で的確に伝えていかねばなりません。伝え方によって相手の協力が得られたり、事業が成長できるきっかけになったりするかもしれません。コンテスト本選では、その良い練習ができ、良いスタートがきれるためのステージをいただいたと思っています。

コンテスト後のNEXT佐渡のフォローアップなど、その印象や感想を教えてください。

ほかの起業家と交流できるきっかけをいただき、内容は違えど思いを同じくする人と話ができるのは、様々な「気づき」をいただけるので参考になりました。そもそもコンテストに出場すること自体が、ほかの起業家との交流のきっかけでもあり、また自分の事業につながるチャンスでもあるわけです。フォローアップといいますが、誰かからのアドバイスやサポートを期待するものではなく、コミュニケーションを通して自分からチャンスや気づきをつかんでいくものだと思います。

なぜ佐渡で事業を展開されようと考えたのでしょうか?

2024年に佐渡金銀山が世界遺産に登録されたが、宿泊施設が足りないなどの受け入れ体制について地域課題があると聞き、状況を変えていける佐渡の遺産を充分に活かした宿泊施設を創りたいと考えました。
佐渡にUターンする人が少ない1番の理由に、仕事がないからという話を聞き、当会を設立したときにUターンしたばかりの頃で仕事に困った経験を活かし、佐渡で仕事できる選択肢を増やしたいと思いました。また一緒に仕事できる仲間も増やしたいと思っています。

佐渡で事業展開することのメリットや魅力とは何がありましたか?

佐渡にしかないものを活かすことが、佐渡で事業をするメリットや魅力だと思いました。私の場合は、佐渡にしかないもの=「文化財や、文化財指定されていないが地域遺産に該当するもの」でした。神社仏閣が多いのも特徴のひとつだと思います。そのような佐渡ならではの特徴をそれぞれの視点で見つけて、どうやって活かすか。未開拓の部分が多い佐渡なので、自分の工夫次第でさまざまなことに挑戦できると思います。挑戦させてくれるのも、佐渡で事業をするメリットではないかと思います。

最後に、これから佐渡ビジネスコンテストに応募される方、
または応募を検討されている方へのメッセージをお願いします!

ビジネスはトライ&エラーの繰り返しだと思います。私はエラーが多かったのですが、どんなにエラーになってもあきらめないことが大切だと思っています。あきらめなければ、必ず実現します。佐渡島内の人はシャイな人が多いのか、コンテストなどに尻込みする傾向があると聞きました。しかし事業を実現するためには、いろんな人に事業プランを話し、良いネットワークを築いていく必要があると思います。ぜひ、どんどんビジネスコンテストのステージに立ってください。