代表取締役 伊藤 綾さん
佐渡ビジネスコンテスト2026
受賞されたビジネスプランをご紹介ください。
空き家を活用した二拠点マルチワーカー事業
佐渡島内の空き家を活用し、二拠点居住の推進を目的とした「マルチワーカー事業」と「会員制別荘事業」です。
私たちの拠点である湯沢・魚沼エリア(冬が繁忙期)と、佐渡(夏が繁忙期)の観光人材を相互にシェアし、通年での安定した雇用を創出します。また、空き家を改修して繁忙期は寮として活用し、閑散期は新潟市民などに向けたサブスク型セカンドホーム(会員制別荘)として提供し、関係人口の増加を目指します。
佐渡ビジネスコンテストへ応募したきっかけを教えてください。
新潟イノベーションベース(NIIB)のフォーラムで、佐渡で事業を営む(株)佐渡活の本間代表に出会ったことがきっかけです。
「子供たちが誇れる仕事、戻ってこれる場所を自分たちの手で作るんだ」という熱い想いに心打たれ、私自身も大人になって初めて佐渡を訪れました。そこで佐渡の豊かさや暮らしの厚みに魅了され、自分たちも佐渡の役に立ちたいと考えるようになりました。
コンテスト本選審査へ進まれる中で課題などはありましたか?
事業計画のブラッシュアップと並行しながら、タイトな期限内に具体的かつ根拠のある「複数社の見積」を揃える点が最大の壁でした。
今回のコンテストは内閣府の補助金が原資となっているため、公募のレギュレーションや証憑の厳格さは十分に理解していたものの、まだ本格始動していない新規事業の段階で、協力事業者様の開拓から賃貸借物件の確保、さらには広告宣伝費等をはじめとした各種見積もりを期限内にすべて複数社の見積で揃えるのは至難の業でした。
正直、佐渡島内の事業者様だけを頼っていては時間的にもリソース的にも厳しく、島外の事業者様も含めて、日頃からどれだけ広く、深い付き合い(ネットワーク)を持てているかが成否を分けると痛感しました。
結果として、このタイトなプロセスを乗り越えたことで、事業の実現可能性がグッと高まったと感じています。
コンテスト後のNEXT佐渡のフォローアップなど、その印象や感想を教えてください。
コンテストがゴールではなく、終了後からが本当のスタートだと実感できるほど、非常に手厚く質の高い伴走支援をいただき感謝しています。特に、鎌倉投信の鎌田社長とのメンタリング(壁打ち)の機会をセッティングしていただけたことは、私個人にとっても会社にとっても大きな転機となりました。
単なる事業計画のアドバイスにとどまらず、「これからいかにして強固な組織を作るか」「経営基盤をどう強化していくか」という本質的なテーマで壁打ちをしていただいたことで、自分自身が代表取締役として今本当に取り組むべきこと、そして逃げずに向き合うべき課題が明確になりました。
ただ事業を拡大するだけでなく、経営者として一段上のステージへ引き上げていただいたような、非常に濃密で貴重な時間でした。
なぜ佐渡で事業を展開されようと考えたのでしょうか?
私たちがホームグラウンドとして活動する越後湯沢・魚沼エリアと、佐渡島が抱える「雇用のミスマッチ(季節波動)」を、完璧な形で補い合えると考えたからです。
湯沢は冬のスキーシーズンに圧倒的な労働需要がありますが、夏場は雇用を維持しにくいという課題を長年抱えていました。一方で、佐渡は夏が観光のピークであり、深刻な人手不足に悩まされています。
この「夏に忙しい佐渡」と「冬に忙しい湯沢」をクロスさせ、私たちが得意とする「人材紹介・シェアリング」と「空き家活用(移住・定住支援)」のノウハウを掛け合わせれば、通年での安定した雇用を創出できると確信しました。
双方の地域の課題を同時に解決できる、これ以上ないシナジーが佐渡にはありました。
佐渡で事業展開することのメリットや魅力とは何がありましたか?
魅力の面では、新鮮な食の豊かさはもちろんですが、長い歴史と伝統文化が息づく「暮らしの厚み」と、そこで暮らす人々の自立して生きる力強さに圧倒的な惹力を感じています。
事業展開上のメリットとしては、新潟県内で私たちがすでに展開している他エリアと、観光の繁忙期・閑散期が綺麗に真逆であるため、労働力のシェアリングという明確かつ強力な経済的シナジーを生み出せる点です。また、島というコミュニティだからこそ、地域の事業者様や行政との距離が近く、ワンチームとなって課題解決にコミットしやすい環境があることも、移住・関係人口創出を掲げる私たちにとって大きなアドバンテージだと感じています。
最後に、これから佐渡ビジネスコンテストに応募される方、
または応募を検討されている方へのメッセージをお願いします!
佐渡の豊かな自然や文化を守りながら、「子供たちが将来にわたって誇りを持てる仕事」や「いつでも戻ってこられる場所」を自分たちの手で創り出していく挑戦は、言葉にできないほどのやりがいがあります。
佐渡には、一見すると大きな課題に見えるものを、ビジネスの力で価値に変えられる無限のポテンシャル(伸び代)が眠っています。そして何より、その挑戦を「おもしろがって応援してくれる」温かい仲間やコミュニティが待っています。
「誰もが住みたいまちで、自分らしく生きられる未来」を一緒につくるために、ぜひ皆さんの熱い想いとアイデアをこのコンテストにぶつけてみてください。一歩を踏み出せば、必ず道は開けます!