INTERVIEW

佐渡ビジネスコンテストでは、参加者が様々なビジネスモデルを提案し、その優劣を競い合います。

優秀なビジネスモデルと認められると補助金やフォローアップが受けられるため、起業を目指す方にはこの上ないチャンスです。

実際に佐渡ビジネスコンテストに参加され、見事入賞を勝ち取られた方々のインタビューをぜひご覧ください。

SIIG 株式会社

代表取締役   谷川 奨さん

佐渡ビジネスコンテスト2021

受賞されたビジネスプランをご紹介ください。

釣り上げた魚を楽しく記録・共有できる釣果記録ゲームアプリ「FishRanker」の開発と運営

「FishRanker」好評配信中
「FishRanker」ゲーム内容

魚釣りを趣味とする方が、釣り上げた魚の成果(釣果)を記録・共有できるプラットフォームをモバイルアプリで提供しています。
近年、日本は世界と比較して水産資源が著しく減少しており、漁獲制限等のルール整備が急務となっています。また、沿岸域においては漁業だけでなく遊漁(釣り)による影響も無視ができないということで、2021年から釣りによる漁獲も水産庁による調査対象となりました。

その情報は釣り人自身が持っています。釣りを趣味とする方の間では、日々釣れた魚を自分のスマホで撮影したり、SNSに投稿したりといった楽しみ方が定着しています。また、他の人が自分の近くでどんな魚を釣っているのかという情報は、自分の次の釣りのヒントにもなるため、強い関心があります。

私たちのFishRankerでは、このように「資源保全」と「釣りのヒント」という2つのニーズを持つ釣果情報をゲーム感覚で楽しく記録できる仕組みを提供し、より多くの情報が好意的にシェアされることを目指しています。

佐渡ビジネスコンテストへ応募したきっかけを教えてください。

SNSで本コンテストの開催を知ったことがきっかけです。ちょうど今回の事業の立ち上げ中で、私自身が佐渡出身ということもあり、すぐに応募を決めました。直近3年間は東京を拠点に働いていましたが、新潟県内で起業家の支援や育成の機運が高まってきていることを感じており、新潟に戻ることを考えていたところでした。

コンテスト本選審査へ進まれる中で課題などはありましたか?

事業内容の調整と明文化が課題でした。
これまでビジネスコンテストにはいくつか登壇してきましたが、評価を受けるポイントはコンテストごとに「スケールアップの可能性」「社会課題の解決」「地域貢献」等、それぞれ重み付けが異なると感じています。

私たちはスタートアップなので、まとまった資本の投下によって急成長を目指す「ハイリスク・ハイリターン」とも言われる戦い方ですが、本コンテストは「雇用拡充」が再優先課題だったため、スケールを意識しつつも着実にビジネスとして継続できる計画を示すことを意識しました。そのため、当初のビジネスモデルを主軸としつつも、過去のWeb制作事業での経験をもとに具体的な売上の推測が可能かつ相乗効果が見込める要素として、Webメディアの開設などを盛り込みました。

コンテスト後のNEXT佐渡のフォローアップなど、その印象や感想を教えてください。

申請関係の実務面のアドバイスから事業者様との連携支援まで、親身なフォローアップをいただいています。NEXT佐渡の皆さまは事務的なコミュニケーションではなく、経営側の実情に即した柔軟な提案をしてくださるので大変心強いです。これは行政と民間の連携によるチームならではと感じます。

なぜ佐渡で事業を展開されようと考えたのでしょうか?

私自身が佐渡出身なので、本コンテストでその選択肢をいただいた部分もありますが、何よりも事業ドメインが「釣り」の私たちにとって、佐渡が非常に魅力的な土地であるということが大きな理由です。

佐渡には、釣り愛好家の間では「楽園」とも言われるほど恵まれた釣り場環境があります。アプリビジネス自体は土地には依存しませんが、利用シーンはあくまでアウトドアであり、水辺です。佐渡なら海・川・湖とあらゆる釣りにリーチできるため、多様なフィールドテストや映像調達が可能です。また、対外的には「離島の釣りのスタートアップ」というイメージの醸成も魅力になっていくと感じています。

多くの釣り愛好家が集まるコミュニティにおいて、佐渡島の釣りの魅力を発信したり、大会などのオフラインイベントを開催したりすることで、地域経済の活性化にも貢献できると感じました。

佐渡で事業展開することのメリットや魅力とは何がありましたか?

いま佐渡は地域全体で企業誘致・起業家支援の機運が高まっており、インキュベーションセンターも次々に開設されています。
資金面でも、非常に手厚い支援を受けられます。補助金の条件・規模ともに「大盤振る舞い」と言っても良いレベルではないでしょうか。

スタートアップの起業が盛んなアメリカのシリコンバレーでは、

  • 起業家が集まるコミュニティ
  • 資金援助
  • 投資家とのコネクション
  • 合宿形式の教育プログラム

などが提供されていますが、これら全てが佐渡にあります。

東京ではプレイヤーが多く何事も機会を得るだけで一苦労ですが、今の佐渡ならこういった支援に最短距離でアクセスできることが大きな魅力です。

自己資金だけでは一歩を踏み出す勇気を持てないような大きなチャレンジであっても、佐渡なら実現可能かもしれません。

最後に、これから佐渡ビジネスコンテストに応募される方、
または応募を検討されている方へのメッセージをお願いします!

ビジネスコンテストに応募するメリットの1つに、自分たちが属するコミュニティを超えて存在を知ってもらえることにあると思います。
私たちも本コンテストでの受賞をきっかけに島内の事業者様からお声がけいただき、佐渡でのイベントの共催など新しい取り組みも実現しました。熱量ある方々との交流を通してこれまで気付かなかった佐渡の新たな魅力に触れることも多々あり、ポテンシャルを強く感じています。

この変化の中に身を置いてみることで得られるチャンスはたくさんあると思います。ぜひチャレンジしてみてください。
一緒に佐渡を盛り上げていきましょう!